こんにちは、行政書士の野口です。
今回は飲食店営業許可の申請における申請要件につきまして解説させていただきます。
■食品衛生責任者の設置
飲食店を運営するにあたって食品衛生における管理責任者を設置することが必要となります。
尚、食品衛生責任者は、お店毎に1名選任することになっていますのご注意下さい。
食品衛生責任者になるには下記のいずれかを満たす必要がありますのでご参照いただければと存じます。
食品衛生責任者等の選任
ロ 食品衛生責任者は次のいずれかに該当する者とすること。
(1) 法第三十条に規定する食品衛生監視員又は法第四十八条に規定する食品衛生管理者の資格要件を満たす者
(2) 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士、と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)第七条に規定する衛生管理責任者若しくは同法第十条に規定する作業衛生責任者又は食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成二年法律第七十号)第十二条に規定する食鳥処理衛生管理者
(3) 都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者
別ブログにて食品衛生責任者についての詳細を解説していますので、下記よりご参照ください。
飲食店食品衛生責任者についてのブログはこちら
■飲食店の開業場所について
都市計画法
第一条 この法律は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もつて国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。都市計画法では人々が住みやすい環境を整備する為に様々な制約が設けられていて、何処でも飲食店を開業して良いというわけではありません。
開業を目指して内装工事など進めたが、規制されている用途地域だった、ということが無いように、事前の確認が必要となります。
飲食店を開業できる地域については都市計画法で規制されてますので事前の確認が必要となります。
1) 飲食店開業が可能な用途地域
・第一種住居地域
・第二種住居地域
・準住居地域
・近隣商業地域
・商業地域
・準工業地域
・工業地域
2) 飲食店開業に条件付きの用途地域
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域
・田園住居地域
3) 飲食店開業が出来ない用途地域
・工業専用地域
別ブロブにて用途地域の詳細を解説していますので、そちらもご参照ください。
飲食店における用途地域についてのブログはこちら
■飲食店における施設基準の確認
食品衛生法施行令
(小規模な営業者等)
第三十四条の二法第五十一条第一項第二号の政令で定める営業者は、次のとおりとする。
一 食品を製造し、又は加工する営業者であつて、食品を製造し、又は加工する施設に併設され、又は隣接した店舗においてその施設で製造し、又は加工した食品の全部又は大部分を小売販売するもの
二 飲食店営業(食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業をいう。次条第一号において同じ。)又は調理の機能を有する自動販売機(容器包装に入れられず、又は容器包装で包まれない状態の食品に直接接触するものに限る。同条第二号において同じ。)により食品を調理し、調理された食品を販売する営業を行う者その他の食品を調理する営業者であつて厚生労働省令で定めるもの
三 容器包装に入れられ、又は容器包装で包まれた食品のみを貯蔵し、運搬し、又は販売する営業者
四 前三号に掲げる営業者のほか、食品を分割して容器包装に入れ、又は容器包装で包み、小売販売する営業者その他の法第五十一条第一項第一号に規定する施設の内外の清潔保持、ねずみ及び昆虫の駆除その他一般的な衛生管理並びに同項第二号に規定するその取り扱う食品の特性に応じた取組により公衆衛生上必要な措置を講ずることが可能であると認められる営業者であつて厚生労働省令で定めるもの
飲食店の開業において衛生面での施設基準をクリアする必要があります。
やはり食に関する事業となりますので、最も厳しく審査される項目と考えて良いと思います。
実際に飲食店営業許可申請を行った後に管轄の保健所の担当者が施設基準をみたしているかどうか査察が入ることもあります。
その時になって、基準が満たされていない、と判断されてしまいますと、それまで進めてきた開業準備を一からやり直さなければならなくなります。
そのようなことが無いように、事前に施設の図面や開業する内容について、管轄の保健所に出向き確認されることをお勧め致します。
■居抜き物件における注意事項
最近では居抜き物件で開業される方も増えているようですね。
飲食店経営を予定されている方からお聞きするのですが、以前に飲食店で利用されていた居抜き物件の場合では、比較的簡単に許可が降りるだろう、と多くの方が考えておられるようです。
しかしながら、実際は決してそのようなことはありませんので注意が必要です。
例えば、元々設置されていた間仕切りやドアの場所を変えていたり、給水、排水設備の変更やトイレの場所を変えていたりしていた場合は、改めて確認を受けます。
又、以前の業種との違いから提供する内容が異なっていれば、審査の対象も異なりますので要注意と考えてよいかと思います。
最悪の場合、以前のお店は実は無許可営業だったなんて話も聞くことがあります。
申請時には様々な面からご確認されることをお勧めいたします。
今回は飲食店開業における許可取得の申請要件について解説させていただきました。
飲食店開業では申請書類における図面の作成や保健所との事前相談など煩雑な作業が発生することになります。又、飲食店営業許可は更新が必要となりますので、開業後の更新スケジュール管理も必須となります。
開業前の準備が忙しく、申請まで手が廻らないという状況が発生してましたら、許可申請について行政書士に依頼することもご検討いただければと存じます。
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