『起業・独立を応援します!ーその① ~会社の種類~』



こんにちは、行政書士の野口です。 


今回は起業・独立を応援します ~その①~、と題して、会社形態について解説していきます。


■会社形態について



会社設立には親会社からの独立や、資格を取得して新たな事業に挑戦、又は温めてきた新しいアイディアを実現させる、など様々な理由があるかと思いますが、素晴らしい第一歩を踏み出せるように応援していきたいものです。


しかしながら、実際に起業を進めるにあたっては、予算の調達や事業計画の作成などを含め様々な手続きを行う必要がでてきますので綿密に計画を立てなければなりません。

本ブログでは、まず最初に検討しなければならない会社形態について触れていきます。

会社とは「株式会社」「合名会社」「合資会社」「合同会社」の4種類に分類されると会社法で定められております。

この4分類には各々で特徴がありますので、起業される際には、まずはどのような形態がご自身の会社に適しているのか検討する必要があります。


■株式会社


多くの方に最も知られている会社形態が株式会社ですね。

株式会社は株主で構成されて、株主総会において経営者を選任し事業を展開していきますので、出資者と業務執行者とは異なるという特徴を持ちます。

株式会社は株式を発行して資金を調達する形態をとりますが、これが株式会社の最も大きなメリットとなります。

又、出資者も出資した額以上には責任は負いません(有限責任)ので投資しやすい状況が得られ資金を調達し易いということに繋がります。

知名度が高いということから社会的信用度が得られ易いので、大規模な業務展開を想定しているのであれば株式会社の方が良いかもしれません。

しかしながらデメリットも多く存在します。

会社法では毎年の決算報告が義務付けられておりますが、これは出資者や債権者に対して財務関連や経営状況を明らかにしなければならないためです。この業務は煩雑で費用も発生します。

又、定款も公証役場で認証を受ける必要がありますので、設立費用が他の会社形態よりも高くなってしまいます。



■合名会社



持分会社の一つとなりますが、個人経営という意味合いが強い会社形態となります。


特徴としては社員全員が無限責任社員となりますので出資金以外の債務全てを全ての社員が責任を負うことになります。

メリットとしては社員全員が代表権を持っているので全員の意見が尊重しあえる運営ができることが強みになりますので同族経営を行うケースなどが適していると考えられます。

デメリットとしては、全員が無限責任社員となりますので一人一人の運営に対する責任が重くなるという点が挙げられます。



■合資会社



合名会社と異なり、無限責任社員と有限責任社員の両方で構成される会社形態となります。
立ち上げの際は最低でも無限責任社員1名と有限責任社員1名の出資が必要です。


メリットとしては立ち上げ費用が低く抑えられることが挙げられますが、負債をかかえた場合に無限責任社員の負担がどうしても大きくなってしまうデメリットが発生します。




■合同会社



合名、合資会社と同じく持分会社に分類される会社形態となりますが、大きな特徴としては社員全員が有限責任社員になります。その為、社員は出資額以上の責任を負う必要がありません。

又、出資者が経営者ということから迅速な意思決定が可能となりますし、社内の取り決めに対しても自由度が高く利益配分なども自由な取り決めが可能です。その点でも動きやすい形態であるといえます。


しかしながら株式会社と比較すると知名度が低いので信用度が得られにくいという面もあります。
また株式が上場できないという点もデメリットです。


あと、意外と気にされるのが、株式会社でいう代表取締役が合同会社では「代表社員」と呼ばれることになります。「代表取締役社長」と比較して格好悪いと思われる方も多いようです。

ちなみに、現時点では株式会社ほど広がりをみせていませんが、GoogleやAmazonといった大手法人が合同会社の形態をとっていますので、今後注目される会社形態ですね。





■株式会社と合同会社比較



4種類の会社形態をご紹介させていただきましたが、日本国内の法人における株式会社の割合は91.2%と断トツに多く、次に合同会社が5.6%と続いております。

会社形態の信用度が影響しているのか、株式会社の人気度が依然高いように思います。

株式会社と合同会社は、どちらも有限責任社員で構成されることから比較されることが多いです。
最後に簡単な比較表をお示しさせていただきます。

株式会社合同会社
必要出資人数1人以上1人以上
資本金1円以上1円以上
意思決定機関株主総会社員総会(出資者)
出資者有限責任社員有限責任社員
役員取締役(1名以上)出資者
役員任期取締役2年・監査役4年
(*10年伸長可)
任期制約なし
業務執行機関取締役・取締役会業務執行社員(出資者)
株主総会設置義務あり設置義務なし
決算公告必要不要
定款要認証認証不要
利益配分出資額による定款で変更可能
設立費用約200,000円~約100,000円~
設立費用合計24万円~10万円~
登録免許税15万円~6万円~
定款認証費3~5万円なし
収入印紙4万円
(*電子定款では不要)
4万円
(*電子定款では不要)



今回は起業応援その①として会社形態を解説しましたが如何でしたでしょうか?

次回以降に会社設立の流れや、定款についても触れさせていただきます。


もし設立予定の会社の営業形態が許認可を必要とされるのでしたら、行政書士へ依頼されることが開業への早道となります。

ご自身での会社設立手続きに不安をお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。

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