こんにちは、行政書士の野口です。
今回は暮らしの味方、行政書士の3回目としまして、行政書士の倫理について触れさせていただきます。
■行政書士としての責務
行政書士法 第10(行政書士の責務)
行政書士は、誠実にその業務を行うとともに、行政書士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。
行政書士の業務を遂行するには色々な制限や義務が命じられています。
代表的なところでは、下記のものが定められております。
① 事務所を持たなければいけない
② 事務所名の表札を掲げる必要がある
③ 報酬額を事務所に掲示しなければいけない
④ 職印を持たなければならない
⑤ 依頼者の求めに応じなければならない
⑥ 依頼者の秘密を守らなければならない
⑦ 業務に関する帳簿を保存しなければならない 等々
行政書士は町の法律家と言われることがありますが、これは行政書士業務が多岐に渡っていていることで国民の生活に密着したサービスが提供できる、ということが理由となります。
その為、常に高い倫理観を持って職務にあたるよう行政書士会から各会員に指導されております。
■行政書士としての倫理
行政書士倫理綱領
行政書士は、国民と行政とのきずなとして、国民の生活向上と社会の繁栄進歩に貢献することを使命とする。
1、 行政書士は、使命に徹し、名誉を守り、国民の信頼に応える。
2、 行政書士は、国民の権利を擁護するととともに義務の履行に寄与する。
3、 行政書士は、法令会則を守り、業務に精通し、公正誠実に職務を行う。
4、 行政書士は、人格を磨き、良識と教養の陶冶を心がける。
5、 行政書士は、相互の融和をはかり、信義に反してはならない
行政書士法で記載されているように、誠実に業務を行うことは必須であり、一定の規律を設ける意味から、行政書士倫理網領が日本行政書士会連合会のHPに記載されております。
興味のある方はそちらからご確認いただいても宜しいかと思いますが、改めて目を通すと背筋が伸びて気が引き締まります。
依頼者は行政書士という有資格者を信用して仕事を依頼されてくるので、その思いを裏切るような行為をしてはいけない、という姿勢でいなければならないということですね。
その為には、倫理網領に記載されている事項は常に念頭におく必要があるのです。
■行政書士業務における業際問題
行政書士の業務では専門分野が特定されていない、と言われておりますが、逆の考えでは、幅広い範囲で業務を行うことができます。
しかしながら、第1条の2で書かれているように、「他の法律において制限されているものについては業務をすることが出来ない」ということで、業際の問題については常に注意をする必要があります。
業際問題とは他の士業の方が独占業務とされている専門分野についての範囲を侵してはいけない、ということになります。これに違反すると厳しい罰則が待ち受けております。
具体的には名前が公表されたり、業務停止、最悪の場合、廃業に追い込まれるケースもありますので、業務遂行中は強く意識しなければなりません。
相続業務における例を出しますと、遺言書作成や遺産分割協議書作成の業務について行政書士は行えますが、相続財産に不動産がある場合の登記申請や相続人に課せられる相続税の対応については、それぞれ司法書士や税理士に依頼することになります。又、紛争性の問題が発生した場合は弁護士の業務になります。
同様に、会社設立における定款の作成はできても、登記は司法書士の業務になり、就労規則などの対応は社労士の業務となりますので行政書士の対応は禁じられています。
では、行政書士に仕事を依頼しても最後まで面倒みてくれないんじゃないか?と考える方もいらっしゃるかと思います。
それについては大丈夫です、安心してください。
業務を進めるにあたっては必要に応じて、その道のスペシャリストをご紹介させていただき、最後まで業務を遂行することになります。実際、多くの士業が横の繋がりをもって対応しているケースが非常に多いのです。
尚、他士業の先生方をご紹介するだけでなく、その時の状況によっては行政書士同士においても、その業務の専門家を紹介させていただくこともあります。
先にお伝えしたように行政書士業務は非常に幅広いという理由から、各々で専門として扱っている業務内容で異なることが多いのです。その為、県内外、各支部において横の繋がりを持ち、お互いの専門性を生かす体制が構築されております。
もし、ご相談事項が発生しましたら、とりあえず、お近くの行政書士にご相談いただいても大丈夫です。
専門が違っていたとしても、その道の専門行政書士をご紹介することが可能ですので、お気軽にご相談されることをお勧め致します。
今回はこの辺で区切らせていただきます。
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