『行政書士業務について~行政書士は暮らしの味方②~』




こんにちは、行政書士の野口です。


今回は暮らしの味方、行政書士の2回目としまして、行政書士の業務について解説させていただきます。


■行政書士の業務

 
行政書士法 
第1条の2(業務)
1.行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(その作成に変えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を作成する場合における当該磁気的記録を含む。以下この条および次条において同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類(実地調査に基づく図面類を含む。)を作成することを業とする。

2.行政書士は、前項の書類の作成であっても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務をおこなうことができない。

行政書士の独占業務とされているのが、『様々な書類の作成を行える』ことになります。

具体的には下記の3種類の業務ということで規定されています。
 
 

①官公署に提出する書類(電磁的記録の作成を含む)
②権利義務に関する書類
③事実証明に関する書類



尚、上記の行政書士法第1条2-2に記載されているように、「その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務をすることができない」となっております。


これは弁護士法、税理士法、司法書士法などとの業際問題が関係してきますので行政書士業務を受任するにあたっては常に注意をしなければならない事項となります。



■官公署に提出する書類


官公署とは国と地方公共団体の諸機関の総称を指します。
簡単に言うとお役所ですよね。

その中には、警察署や消防署も入ります。

官公庁というと消防庁までになりますが官公署となると消防署まで含まれることになります。
つまり下部組織(署)まで含んだ記載になっているんですね。

■権利義務に関する書類



権利義務に関する書類というのは、代表されるものとしては契約書になります。
民事法務的書類として売買や賃借などの契約内容が記載された書類などが該当いたします。


他には契約に関しての申込書や会社・法人の設立時に提出する必要書類も挙げられますし、相続時に行う遺産分割協議を取りまとめた遺産分割協議書も該当することになります。

これだけでも、かなり幅広い業務に対応できるということがお判りいただけるかと思います。


■事実証明に関する書類



事実証明に関する書類は、社会的な事実を証明するための書類となります。
例えば資格証明書、会社業績書、自動車登録の証明書、交通事故報告書、各種申請における図面作成なども該当されます。

ちなみに、車を購入する際に自動車販売店が車庫証明や自動車登録書類の作成をまとめて対応する時があると聞くことがありますが、もし、その場合に自動車販売店側から報酬を請求してくるのであれば、それは行政書士法違反となって罰則が課されることになります。


条文に記載されているように、上記の公となる書類について、他人からの依頼で作成して、報酬を得るというのが行政書士の業務と規定されてますが、特に「報酬を得る」というのがポイントということになります。


■依頼人の代理として



官公署へ提出する書類を代理で行うことや、官公署からの問い合わせに対して、依頼人の代理として行政書士自身の判断で対応することも許されています。

実は平成13年(2001年)の条文改正前まではこのように書かれておりました。

「行政書士が作成できる書類を官公署に提出する手続き代わって行い、……」

ようするに行政書士は書類の提出において「依頼者からの代行という立場で業務を行う者」、ということでした。


「代行」という立場ですと、書類の提出を依頼されて、依頼者の代わりに伝達を行う使者、という意味合いが強くなりますので、その時と比較すると依頼人の代理として動けることになった現在の行政書士の業務内容は、かなり幅が広がり明確にされた感じがします。




これとは少し趣が異なる代理の話題ですが、2014年に行政書士法が改正された際に特定行政書士の制度が設けられました。


特定行政書士とは行政書士が作成し提出した許認可等を取り消す処分を受けた場合、処分を受けた者に代わって不服申し立てが認められている資格となります。


元々は弁護士さんだけが認められていた行為なので非常にインパクトの大きい法改正といえます。
ただ全ての行政書士に認められわけではなく、研修過程を修了して考査試験にパスした者のみに認められます。
常に勉強することが必要なのですね。






今回は行政書士の業務について触れさせていただきましたが如何でしたでしょうか。

次回は行政書士に課された責務について解説させていただきます。
今回はこの辺で区切らせていただきます。

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