『法定相続情報一覧図を活用しましょう ~法定相続情報証明制度~』



こんにちは、行政書士の野口です。 


今回は相続手続きに有用な法定相続情報証明制度について解説致します。


■法定相続情報証明制度について


相続手続きを進めるにおいて、金融機関の各窓口や不動産登記申請を行う法務局では相続人情報の提供が求められ、非常に煩雑な対応になることが知られています。


その煩雑な作業の改善を目的として法定相続情報証明制度が設定されております。



本制度は平成29年5月29日より運用が開始されておりますが、この運用では相続人だけでなく、相続手続きを担当する各種窓口での負担について軽減させることも目的としています。



相続人を確認するには亡くなられた方が生まれてから死亡までの全ての戸籍を遡る必要があります。
戸籍に関しての詳しい解説は別の機会に譲りますが、戸籍法の改正によって、法令別で数種類に分類されており、時には非常に数多くなる場合もあります。

以前は手続きを行う窓口において、該当する戸籍の束をその都度提出しなければならず、状況によっては返してもらえない時もあって、改めて戸籍を収集し直さなければならないケースもあったようです。

この法定相続情報証明制度を利用して、法務局の認証を得た法定相続情報一覧図を交付してもらえれば、わざわざ戸籍情報の一式を持ち運ぶ必要もなくなるという訳です。

尚、この制度は有難いことに無料で利用出来ますので、ぜひ活用したいところですね。


■申出における必要書類について


法定相続情報証明制度を利用する為に必要書類を収集する必要があります。
その収集した書類を基に法定相続情報一覧図を作成して法務局に申出する流れとなっております。



① 被相続人の戸除籍謄本

亡くなられた方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本及び除籍謄本になります。
戸籍法の改正により数種類にも及ぶケースもありますが、最寄りの役所で、相続手続きに利用する為、出生から死亡までの戸籍を取りたいと伝えれば用意してもらえます。

*2024年(令和6年)3月1日から、本籍地が遠方にある場合でも最寄りの役所で戸籍謄本を取得できるようになりました。


② 被相続人の住民票の除票

被相続人の住民票の除票も必要となります。
これは死亡届の提出後に役所で対応しているので確認してもらえれば良いと思います。
尚、住民票の取得は本人、同一世帯の者、代理人のみとなりますので注意が必要です。


③ 相続人全員の戸籍謄抄本

相続される方全員の戸籍謄抄本を収集いただく必要がありますのでご用意ください。


④ 相続人代表者の氏名・住所を確認することができる公的書類

相続手続きを進める方が該当します。
免許証やマイナンバーカードのコピーをご用意ください。


⑤ 各相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し)

法定相続情報一覧図に住所を記載する場合に必要となります。
印鑑証明書で代替できる場合もありますので、申請される法務局でご確認ください。


⑥ 作成した法定相続情報一覧図

収集した戸籍情報を基に提出する法定相続情報一覧図を作成する必要があります。
様々なケースで法務局からテンプレートが用意されていますので有難いですね。

主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例はこちら


⑦ 法務局に提出する申出書

収集した書類一式と申出書に必要事項を記入して該当の法務局に提出致します。
下記、申出書の記入例となりますのでご参照ください。

申出書の記入例はこちら
申出書のテンプレートはこちら

■法定相続情報一覧図の申出について


本制度の手続きにおける必要事項を記載しますのでご参照ください。

1) 申出人について

・相続人
・親族の代理人(親族関係がわかる戸籍謄本)
・資格者代理人(弁護士・司法書士・土地家屋調査士・税理士・社労士・弁理士・海事代理士・行政書士)

2) 申出先の法務局

・被相続人の本籍地
・被相続人の最後の住所地
・申出人の住所地
・被相続人名義の不動産の所在地



3) 郵送による交付について

法定相続情報一覧図の写しの交付は郵送での対応も可能です。
申出の際に返信用の封筒及び郵便切手を同封する対応となります。








今回は法定相続情報制度について解説しましたが如何でしたでしょうか。


法定相続情報制度は非常に有用なツールであって、各種相続手続きではとても重宝されますが、どうしても申出までに必要書類を収集するという作業については対応しなければなりません。


平日に役所に訪問する時間がない、又は法定相続情報一覧図の作成に不安を持っているとのことでしたら、ぜひ行政書士への依頼をご検討ください。

煩雑な書類収集から対応いたしますので、お気軽にご相談いただければと存じます。


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