『旅行業を始めませんか! ~旅行業登録について~』




こんにちは、行政書士の野口です。


今回は旅行業を始めるにあたっての必要事項について解説させていただきます。

■旅行業法の目的


最近のインバウンド効果も後押しとなって、日本全土で賑わいが戻ってきているようです。


観光地では多くの訪日外国人が観光を楽しむ様子がニュースでも伝えられてます。
そして日本人も、負けじと国内・国外問わず、旅行を楽しめるようになってきています。


この盛り上がりから、新たに旅行ビジネスを検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
旅行業を始めるには、旅行業法に則って旅行業登録をしなければなりません。


登録を進めるにあたって、旅行業法では旅行業の公正な取引の維持や旅行をされる方の安全確保を目的としていますので、厳しい申請内容を求められることになります。

旅行業法(目的)
第一条 この法律は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、あわせて旅行業等を営む者の業務の適正な運営を確保するとともに、その組織する団体の適正な活動を促進することにより、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的とする。


■旅行業の登録について


旅行業では取り扱う企画別に、登録する業務形態が複数用意されています。
その中から希望の区分を選択して、登録申請を進める流れとなります。

旅行業の種類、区分につきましては別ブログにて解説させていただきますので、今回は登録に際しての必要事項をお伝えしたいと思います。


1) 旅行業務取扱管理者

旅行業法(旅行業務取扱管理者の選任)
第十一条の二 旅行業者又は旅行業者代理業者(以下「旅行業者等」という。)は、営業所ごとに、一人以上の第六項の規定に適合する旅行業務取扱管理者を選任して、当該営業所における旅行業務に関し、その取引に係る取引条件の明確性、旅行に関するサービス(運送等サービス及び運送等関連サービスをいう。以下同じ。)の提供の確実性その他取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。


旅行業法では営業所毎に「旅行業務取扱管理者」の選任を義務付けています。


これは旅行業を扱うにあたって旅行業取扱管理者試験に合格した『旅行のプロフェッショナル』を常勤させ、サービスの確保や旅行者の安全管理を行わせるという意味合いになります。


一点注意が必要なのですが、登録申請する旅行業の区分によって管理者としての要件が異なります。
事前に登録予定の業務形態をご確認するようしてください。

  営業所      資格要件
海外旅行取扱・総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者
国内旅行のみ取扱・総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者
・国内旅行業務取扱管理者に合格した者
地域限定旅行のみ取扱・総合旅行業務取扱管理者試験に合格した者
・国内旅行業務取扱管理者に合格した者
・地域限定旅行業務取扱管理者試験に合格した者




2) 基準資産額と営業保証金の確認


こちらも旅行者の保護を目的として、経営に関しての資産状況を確認されて、旅行に対する保証金を供託する制度が設けられております。

先程の旅行業取扱管理者の要件と同様に、幅広い企画を組める業務形態であるほど、より厳しい条件を求められることなりますので、申請前にご確認いただく必要があります。

  区分基準資産額 営業保証金
第1種旅行業    3,000万円    7,000万円    
第2種旅行業700万円1,100万円
第3種旅行業300万円300万円
地域限定旅行業100万円15万円
旅行業者代理業



3) 旅行業協会への加入


観光庁は旅行業の発展、サービス向上を目的に下記の旅行業協会を指定していますが、加入して所属社員になることで、高額な営業保証金の5分の1の金額を納付することによって保証される「弁済業務保証金分担金制度」を利用することが出来ます。

この制度は、旅行業を始める方にとっては大きなメリットに繋がると思われます。


(一社)日本旅行業協会
(一社)全国旅行業協会

  区分弁済業務保証金分担金
第1種旅行業    1,400万円         
第2種旅行業220万円
第3種旅行業60万円
地域限定旅行業3万円

■おわりに



今回は旅行業を始めるにあたっての登録について解説させていただきましたがいかがでしたでしょうか。



観光事業が活性化してくると、世の中が明るくなっていく感じがしませんか?

個人的な話ですが私は旅行が大好きなので、旅行業についての記事を書くとワクワクしてきます!
コロナなんかに負けず、旅行業界の更なる発展を期待したいです。

旅行業の登録においては登録区分の選択や基準資産の確認、そして旅行協会への登録など多くの対応事項が発生することになりますが、チャンレジしてみたいという方がいらっしゃったら応援したいと思います。

ご自身での登録に不安を感じられるようでしたら、ぜひ行政書士へご相談ください。

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