『飲食店には食品衛生責任者が必要です ~食品衛生法~』




こんにちは、行政書士の野口です。

今回は飲食店営業許可申請の手続きに重要な要件となる食品衛生責任者について解説させていただきます。

■食品衛生責任者とは



食品衛生法
第一章 総則
第一条 この法律は、食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もつて国民の健康の保護を図ることを目的とする。



コロナが第5類に移行したことを機に、インバウンドの効果も乗じて再び外食産業が盛り上がりをみせています。


コロナ禍の数年間では外食産業は大打撃を受けて大変な思いをされたかと存じます。

しかしながら、そのような中でも「食」を担う方々が食品衛生法を順守し、日本の衛生面を支えてこられたことには本当に頭が下がります。そして再び、日本が誇る外食産業が人々を笑顔にさせていることに心より嬉しく思います。


これは誰もが認めることかと思いますが、日本の外食産業における衛生面での秀逸性は世界屈指と言っても過言ではないでしょう。それは多くの方が安心して食事を楽しむことが出来るという輝かしい証でもあります。


その責任の一旦を担っているのが、「食品衛生責任者」になります。


「食品衛生責任者」とは、食品衛生法に基づいて飲食店や事業所への設置が義務付けられている資格を保持する者となります。

食品衛生法施行規則では食品衛生責任者について明記されてますが、食品の製造、加工、調理、貯蔵、販売から、使用機材や店舗の清掃など、多岐にわたって衛生面の管理について記載されております。

時にはお店の営業者に対しても意見を述べなければならない存在であって、そして営業者も食品衛生責任者の意見を尊重するように規定されてます。それほどまでに飲食事業の展開に対して重要な存在なのです。


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■食品衛生責任者になるには



食品衛生責任者になるには、下記のいずれかの方法によることになります。

食品衛生施行規則
食品衛生責任者等の選任
ロ 食品衛生責任者は次のいずれかに該当する者とすること。

(1) 法第三十条に規定する食品衛生監視員又は法第四十八条に規定する食品衛生管理者の資格要件を満たす者

(2) 調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士、と畜場法(昭和二十八年法律第百十四号)第七条に規定する衛生管理責任者若しくは同法第十条に規定する作業衛生責任者又は食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成二年法律第七十号)第十二条に規定する食鳥処理衛生管理者

(3) 都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者


飲食店の開業を目的に営業者が(3)の講習会を受けて食品衛生責任者になられる方も多いかと思いますが、この場合の兼務は可能です。

又、収容人数が30名以上なる飲食店店舗では防火管理者の設置も義務付けられてますが、こちらも食品衛生責任者との兼務が可能となってます。

尚、食品衛生責任者は更新もなく期限もありませんので、一度講習を受け、小テストをパスすれば失効されることはありません。


但し、講習会は申請順で埋まっていきますのでお早目の申請をお勧め致します。

■食品衛生責任者の欠格要件



食品衛生法では下記の欠格要件が設定されております。
飲食店の開業前には一度、ご確認いただくようご注意ください。

食品衛生法
第五十五条 
一 この法律又はこの法律に基づく処分に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して二年を経過しない者

二 第五十九条から第六十一条までの規定により許可を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者

三 法人であつて、その業務を行う役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの






今回は飲食店営業許可申請に必要な食品衛生責任者につきまして触れさせていただきましたがいかがでしたでしょうか。


飲食店営業の許可申請には、今回解説した人的要件となる食品衛生責任者の選任の他にも、お店の立地条件や最も厳しい要件である衛生面の基準を満たす必要があります。

これらの申請要件につきましては、また次回に解説させていだきます。

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