こんにちは、行政書士の野口です。
今回は民泊ススメその②として民泊を営業するにあたって必要となる住宅宿泊管理業について触れさせていただきます。
■住宅宿泊管理業者とは
住宅宿泊事業法
(住宅宿泊管理業務の委託)
第十一条 住宅宿泊事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければならない。ただし、住宅宿泊事業者が住宅宿泊管理業者である場合において、当該住宅宿泊事業者が自ら当該届出住宅に係る住宅宿泊管理業務を行うときは、この限りでない。
一 届出住宅の居室の数が、一の住宅宿泊事業者が各居室に係る住宅宿泊管理業務の全部を行ったとしてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める居室の数を超えるとき。
二 届出住宅に人を宿泊させる間、不在(一時的なものとして国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを除く。)となるとき(住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅との距離その他の事情を勘案し、住宅宿泊管理業務を住宅宿泊管理業者に委託しなくてもその適切な実施に支障を生ずるおそれがないと認められる場合として国土交通省令・厚生労働省令で定めるときを除く。)。
2 第五条から前条までの規定は、住宅宿泊管理業務の委託がされた届出住宅において住宅宿泊事業を営む住宅宿泊事業者については、適用しない。
2018年に住宅宿泊事業法が施行されましたが、それ以前は旅館業法のみで民泊を規制していた時期がありました。
その時には住宅宿泊管理業者は存在しておらず、住宅宿泊事業法が施行されてから新たに規制対象となった管理業者となります。
民泊運営を目的として施行された住宅宿泊事業法に基づいて申請する際に、「家主不在型」又は「民泊対象施設が5室を超える場合の家主居住型」として申請する場合では住宅宿泊管理業者への業務委託が義務付けられていて、その委託を受ける住宅宿泊管理業者は国土交通省への登録が必要されています。
※尚、家主不在型でも例外として下記を満たす場合は住宅宿泊管理業者に委託する必要はありません。
[1] 住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅が同一の建築物もしくは敷地内にあるとき又は隣接しているとき
[2] 届出住宅の居室であって、それに係る住宅宿泊管理業務を住宅宿泊事業者が自ら行うものの数の合計が5以下であるとき
■住宅宿泊管理業者の業務
住宅宿泊管理業者は民泊営業において、非常に重要な役割を担うことになります。
宿泊者がチェックインをする際の鍵の明け渡しから、宿泊者の名簿管理、宿泊先の衛生管理、緊急対応、近隣の苦情に対する対応など多岐に渡ります。
実は民泊ビジネスが生まれた初期の頃には無許可の民泊営業が横行した時期がありました。
その時に宿泊者の騒音やごみ捨てなどが問題視されたことがありましたので、それを防止するという観点から不動産管理のプロフェッショナルがきちんと対応していくことが法律で規制されたということになります。
下記が条文で規定されている主な業務となりますのでご参照ください。
① 宿泊者の衛生の確保
② 宿泊者の安全の確保
③ 外国人観光旅客である宿泊者の快適性及び利便性の確保
④ 宿泊者名簿の備付け等
⑤ 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明
⑥ 苦情等への対応
■住宅宿泊管理業者の要件
住宅宿泊管理業の国土交通省への登録は特定の要件を満たさなければなりません。
いわゆる不動産業務のプロフェッショナルがその要件に該当することになります。
業態 | 登録要件 |
---|---|
①個人 | ・住宅の取引又は管理に関する2年以上の実務経験 ・宅地建物取引士 ・マンション管理業務主任者 ・賃貸不動産経営管理士 |
②法人 | ・住宅の取引又は管理に関する2年以上の実務経験 ・宅地建物取引業免許 ・マンション管理業務主任者の認定 ・賃貸不動産管理士の認定 |
※他要件として財産的要件、事務所要件、欠格要件があります。
※令和5年7月の改正にて不動産関連の2年以上の契約実務経験や資格を有さない場合でも、
登録実務講習を修了することで、住宅宿泊管理業者として登録することができるようになりました。
今回は民泊のススメその②として、住宅宿泊管理業者について触れさせていただきましたが如何でしょうか。
民泊営業を考える上で「家主不在型」での運営を希望して始められる方も多いのではないでしょうか?
その場合は住宅宿泊管理業者への委託は義務となっていますのでご注意ください。
民泊開業を検討される中でご質問等ございましたらお気軽にご相談ください。
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