『任意後見についてご家族で話し合ってみませんか?ー終活のご提案②ー』



こんにちは、行政書士の野口です。

今回は成年後見における任意後見制度について触れさせていただきます。



■任意後見制度とは



成年後見制度は法定後見制度と任意後見制度の2種類に分けることが出来ます。

これらの制度の違いをお伝えすると、本人の判断能力が低下した段階で利用されるのが法定後見制度で、本人の判断能力が低下する前に本人の意思で契約を事前に結んでおくのが任意後見制度となります。

つまり、任意後見制度では、どのようなサポートを受けるのか、前もって本人が決めることが出来る制度ということになります。

十分な判断能力があるうちに、将来、判断能力が不十分な状態になった時に備えて、ご自身が希望する代理人(任意後見人)を選任し、財産管理や療養看護おける対応について公正証書によって契約しておくことが出来るという大きなメリットを有しております。




■任意後見制度の流れ


任意後見制度を利用するには、本人の意思に基づいて契約を結ぶ流れをとります。
下記、ご参照いただければと存じます。

   ① 後見人候補の選定  : 親族・第三者の誰でも選任することが出来ます

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   ② 面談・内容等の相談 : 本人との面談が必要とされます

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   ③ 契約書原案の作成  : 本人の希望に応じて契約内容を確定させます

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   ④ 公証役場に事前相談 : 公証役場にて確認・修正を行います

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   ⑤ 公正証書確定    : 公証役場にて公正証書として作成します

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   ⑥ 判断能力を確認   : 本人の判断能力が不十分とみられた際に確認を要します

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   ⑦ 家庭裁判所に申立て : 家庭裁判所が後見監督人を選任します

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   ⑧ 任意後見人に就任  : 契約で定められた業務を執行していきます


■任意後見監督人について


本人の判断能力が低下した後、家庭裁判所に任意後見監督人の申立てを行うことになります。


任意後見人が、任意後見契約で決めた事務について、家庭裁判所が選任する「任意後見監督人」の監督のもと、代理で契約などを行うことによって、本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。

    ◆申立てが出来る者:本人・配偶者・4親等内の親族・任意後見受任者

    ◆申立て家庭裁判所:本人の住所地を管轄する家庭裁判所

                 *4親等内の親族とは
                    (1) 親,祖父母,子,孫,ひ孫
                    (2) 兄弟姉妹,甥,姪
                    (3) おじ,おば,いとこ
                    (4) 配偶者の親・子・兄弟姉妹

 


■申立て時の提出資料


裁判所毎に必要書類が異なるケースがありますので事前の確認が必要となります。
下記、代表的な提出資料を記載しますのでご参照ください。

1)申立書及び申立事情説明書
2)財産目録及び財産内容を証明する資料
3)収支状況報告書及び収入・支出を証明する資料
4)任意後見受任者事情説明書
5)本人の戸籍謄本及び住民票
6)後見登記事項証明書
7)登記されていないことの証明書
8)任意後見契約公正証書の写し
9)医師の診断書
10)親族関係図


■任意後見監督人選任の申立て要件


ご注意いただきたいのですが、任意後見監督人の申立て時には、原則として本人の同意があることが要件となります。

急速に判断能力が衰えて意思表示が難しい場合を除いては、本人の同意が出来る程度での申立てが好ましいとされています。

尚、本人の判断能力が失われてから申立てを行うと家庭裁判所から、任意後見受任者の管理状況が疑われてしまうので注意してください。






今回は任意後見制度について触れさせていただきましたが如何でしたでしょうか。


任意後見制度では、信用できる親族に依頼する他にも、専門家と契約を結ぶことも可能です。その場合は、見守り契約や財産管理についての契約も付随して結ぶことが多いです。


任意後見制度としての契約について、詳細確認をご希望される場合は行政書士までお気軽にご相談いただければと存じます。

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