『成年後見制度についてご存じでしょうか?-終活のご提案ー』



こんにちは、行政書士の野口です。

今回は成年後見制度について触れさせていただきます。

■成年後見制度とは



成年後見という制度についてお聞きになられたことがありますでしょうか?

民法が改正され、2000年4月から開始された制度で、認知症、精神障害、知的障害といった判断能力が低下している方を保護するというものになります。

最近では高齢者を狙った犯罪なども増えてきていて、判断を誤らせる状況を作ることで高額な商品を売りつけたり、詐欺行為で財産を奪うという手法などもニュースで報道されていることを耳にされた方も多いかと思います。お年寄りを大事にしない輩が増えてきているようで、このような物騒な話を聞くのはとても悲しい気持ちになります。

そのような犯罪行為を防止するということだけが理由ではありませんが、知的障害や認知症などで判断能力が低下された方の代わりに財産管理や身上監護を行う後見人を選任する、という制度が成年後見制度ということになります。







■禁治産・準禁治産制度の時代



それでは、2000年に成年後見制度が開始される前は、判断能力が低下した方を保護する制度はなかったのでしょうか?


実は成年後見制度が開始される前には、禁治産・準禁治産という制度が存在しておりました。

禁治産制度を利用するには、利害関係人が家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所が禁治産の宣告を行い、後見人が指名される流れで進められていました。

しかしながら、禁治産制度では、本人の法律行為は認められず、後見人が全ての行為を取り消すことが出来る状況になってしまうことから、差別的な扱いになることが問題視されることになり、最終的には法改正にて、成年後見制度に変更されたという経緯があります。


又、禁治産を宣告されると戸籍にも記載されてしまうことや、選挙権が剥奪されてしまうこと、配偶者がいる場合では後見人は必ず配偶者が指名されてしまうなど、多くの問題が含まれていた制度でありました。



■成年後見制度の種類


成年後見制度は大きく分類すると、法定後見制度と任意後見制度に分けることが出来ます。これは、本人の判断能力の有無によって、状況に応じた選択を行うことになります。

法定後見制度では、既に判断能力が低下した場合に家庭裁判所に申立てを行い、家庭裁判所の判断によって、法定後見人が選任されることになります。

又、判断能力の低下の状況によって「後見」「保佐」「補助」の3種で区分けされることも特徴となっております。

それに対して、任意後見制度では法定後見制度とは異なり、現時点で判断能力の低下は見られず、将来において備えるという意味合いでの制度になります。

判断能力が低下する前での契約となりますので、本人が希望する後見人を指名することも出来、又、認知症が進んだ後における本人が希望する生活についても事前に指示しておくことが可能となるメリットがあります。






今回は成年後見制度について触れさせていただきましたが如何でしたでしょうか。

次回以降のブログでは、各々の後見制度について、深堀していきたいと思います。

成年後見制度は2000年に開始された、比較的新しい制度ですが、年々利用者は増加しており、弁護士、司法書士、社会福祉士が後見人として専任されることが多いようです。


任意後見制度としての契約など、詳細をお聞きになりたい場合は当事務所までお気軽にご相談いただければと存じます。

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