こんにちは、行政書士の野口です。
今回は建設業の許可要件について解説させていただきます。
■建設業の許可要件
建設業法
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
二 その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
三 法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
四 請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。第八条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
建設業許可申請においては、欠格要件を入れて大きく5つの条件を満たす必要があります。
各々の内容につきまして触れていきます。
① 経営管理責任者を設置すること
② 営業所毎に専任技術者を設置すること
③ 役員等が誠実な行為をしていること
④ 財産的基礎又は金銭的信用を有していること
⑤ 欠格要件に該当しないこと
■経営管理責任者の設置
建設業法
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。
建設業を営むにあたって、常勤の経営管理責任者を選任する必要があります。
選任するにあたっては誰でも良いという訳ではなく、法人では役員等、個人事業主でも該当する人物が決められております。該当要件は以下となっておりますのでご参照下さい。
① 建設業の管理責任者として5年以上の経験を有する者
② 建設業の管理責任者に準ずる立場で5年以上の経験を有する者
③ 建設業の管理責任者に準ずる立場で6年以上、補佐する経験を有する者
④ 建設業で2年以上役員等としての経験を有し、かつ5年以上役員等又は役員等に次ぐ
職制上の地位として、財務管理、労務管理又は業務運営経験を有する者
⑤ 5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し、2年以上役員等として財務管理、
労務管理又は業務運営経験の経験を有する者
尚、④⑤の要件につきましては、財務管理、労務管理、業務運営の業務経験を有する「補佐する者」を置くことが条件となっております。
又、役員等とは下記の者が該当いたしますのでご注意ください。
① 株式会社の取締役
② 持分会社の業務執行社員
③ 指名委員会等設置会社の執行役
④ 法人格のある各種組合等の理事
■営業所毎に専任技術者の設置
建設業法
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
二 その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
営業所毎に専任技術者の設置が義務付けられております。
尚、専任技術者は各営業所での許可毎に常勤していなければなりません。
又、一般建設業と特定建設業では要件が異なりますので注意が必要となります。
【一般建設業】
① 許可を得る建設業の工事に関して、所定学科の高校卒業後5年以上、大学卒業後3年以上の
実務経験を有する者
② 許可を得る建設業の工事に関して、10年以上の実務経験を有する者
③ ①②と同等以上の技術・知識・技能を有すると認められた者
【特定建設業】
① 許可を得る建設業の種類の国家資格保持者
② 一般建設業の要件を満たし、元請けとして4,500万円以上の工事に2年以上の指導監督的な
実務経験を有する者
③ 国土交通大臣が①②と同等以上の技術・知識・技能を有すると認められた者
尚、指定建設業については①③の要件のみが該当しますのでご注意です。
(※指定建設業:土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)
■役員等が誠実な行為をしていること
建設業法
(許可の基準)
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
三 法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
不誠実な行為とは請負契約において法律的に違反行為を行っていないという意味になります。
又、免許の取り消し処分などを受けた場合には必要な条件を満たさないと許可を得ることが出来ません。
■財産的基礎又は金銭的信用を有していること
第七条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
四 請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。
財産的に信用が得られるか、という項目も許可要件とされております。
これは許可を受けた後、安定した工事を進めることが可能かどうかの確認となります。
【一般建設業】
① 自己資本が500万円以上
② 500万円以上の資金を調達できる
③ 直前5年間において許可営業を継続している
【特定建設業】
① 欠損額が資本金の20%以内
② 流動比率が75%以上
③ 資本金が2,000万円以上
④ 自己資本が4,000万円以上
■欠格要件に該当しないこと
建設業法
第八条 国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次の各号のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあつては、第一号又は第七号から第十四号までのいずれか)に該当するとき、又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、許可をしてはならない。
欠格要件は建設業法の第8条、第17条に記載されております。
大まかには、破産手続開始後に復権していない、重要事項の虚偽記載、許可取消後の必要日数が未経過、などが規定されております。
今回は建設業の許可要件について触れさせていただきましたが如何でしょうか?
特に経営管理責任者と専任技術者については煩雑な要件となりますので要注意となります。
この2つの要件につきましは別ブログで焦点を当てて解説したいと思います。
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