
遺言書は、ご自身が希望する形で財産を承継させることができ、遺産分割協議を不要にするなど、相続時のご家族の負担を大きく軽減する重要な制度です。
遺されるご家族が困らないよう、そしてご自身の想いや考えを確実に反映させるためにも、遺言書の作成は非常に大切な備えといえます。
一方で、遺言書は内容に不備があると無効となったり、かえって相続トラブルの原因となるおそれもあります。そのため、作成にあたっては、いくつかの重要なポイントを押さえておくことが大切です。
遺言書には主に「公正証書遺言」、「自筆証書遺言」の2つの方法があります。それぞれでメリットとデメリットがありますので、ご自身の希望や環境によりご選択いただきます。
| 特徴 | デメリット | |
|---|---|---|
| 公正証書遺言 |
・専門家の公証人が遺言書を作成 ・家庭裁判所の検認が不要 |
・公証人への手数料が発生する ・証人2名が必要となる |
| 自筆証書遺言 |
・全文を遺言者が自筆で作成 ・法務局保管制度が利用できる |
・法律的に間違いのない文章作成が困難 ・法務局では内容は精査されない ・家庭裁判所での検認が必要 |
公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成するため、形式不備で無効になるリスクが極めて低く、多くの専門家が推奨する信頼性の高い方法です。
まず、ご要望をお伺いした上で、遺言書の原案を当事務所で作成し、必要書類(戸籍謄本、印鑑証明書、固定資産評価証明書など)を揃えて公証役場と事前打ち合わせを行います。内容が確定した後、当日は証人2名以上の立ち会いのもと、公証人が遺言者に読み聞かせを行い完成させます。
当事務所では、複雑な公証役場との事前調整や必要書類の収集、さらには当日立ち会う証人の手配まで、一括でサポートしております。ご本人は、公証役場に一度だけご同行いただくのみの対応となります。
■下記が公証役場への手数料となります。
| 財産の価額 | 手数料 |
|---|---|
| 50万円以下 | 3,000円 |
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 200万円以下 | 7,000円 |
| 500万円以下 | 13,000円 |
| 1,000万円以下 | 20,000円 |
| 3,000万円以下 | 26,000円 |
| 5,000万円以下 | 33,000円 |
| 1億円以下 | 49,000円 |
3億円以下:
49,000円+5,000万円毎に15,000円加算
10億円以下:
109,000円+5,000万円毎に13,000円加算
10億円以上:
291,000円+5,000万円毎に9,000円加算
*相続及び遺贈を受ける者が2人以ある場合、各相続人及び受遺者ごとに、その目的の価額によって手数料を算定し、それを合算した額となります。
遺言書を遺すことで、相続時に生じやすいトラブルやご家族の負担を未然に防ぐことができます。
特に、次のようなケースでは、遺言書の有無によって手続きの負担やトラブルのリスクが大きく変わりますので、ご自身の意思を明確に伝えるためにも、早めに遺言書の作成を検討することをおすすめします。
子供がいない場合、相続人は配偶者だけでなく、親や「兄弟姉妹(およびその甥・姪)」まで広がります。全く面識のない親族と遺産分割協議を行うのは、残された配偶者にとって大きな負担です。兄弟姉妹には「遺留分」がないため、遺言書で「配偶者に全財産を相続させる」と明記するだけで、配偶者の生活を確実に守ることができます。
長男は同居している自宅、次男は預貯金」と分けたくても、不動産の価値が高すぎて公平に分けられない場合、トラブルの火種になります。遺言書で具体的な分配方法を指定し、さらに「なぜこの形にしたのか」という想いを記しておくことで、相続人間の納得感を高め、円滑な承継を実現できます。
子が先に亡くなり孫が多数いる場合など、相続人が増えると協議の取りまとめは極めて困難になります。特に配偶者が高齢の場合、大人数との交渉は現実的ではありません。遺言書で内容を確定させ、あわせて「遺言執行者」を指定しておくことで、手続きをスムーズに完結させられます。
長年介護を尽くした子や、法律上の相続権がない「子の配偶者(お嫁さん)」に報いたい場合、遺言書がなければその想いは形になりません。介護への感謝を込めた遺言書は、他の親族に対しても「故人の意思」としての説得力を持ち、不公平感を解消する一助となります。
相続人の中に認知症の方がいると、遺産分割協議のために「成年後見人」の選任が必要となり、手続きが長期化・複雑化します。あらかじめ遺言書で承継先を指定しておけば、協議そのものが不要になり、後見人を立てずに済むケースもあります。家族信託と組み合わせることで、より柔軟な生活支援も可能になります。
戸籍確認で初めて存在が判明することも多く、面識のない異母兄弟との協議は、残されたご家族に多大な心理的負担を強います。遺言書で遺留分に配慮した分配を定め、専門家を遺言執行者に指定しておくことで、ご家族が直接接触する負担を最小限に抑えられます。
相続人が一人でも欠けると遺産分割協議は成立しません。通常は家庭裁判所で「不在者財産管理人」の選任が必要ですが、遺言書があれば、裁判所を介さずとも手続きを進めることが可能です。海外在住や行方不明者がいる場合、遺言書があるかないかで手続き自体が変わることになります。
相続人(兄弟姉妹を除く)には、「遺留分侵害額請求権」という権利が認められています。
これは、遺言書などにより特定の人に多くの財産が渡る内容となっている場合に、一定の範囲で金銭の支払いを請求できる権利です。
遺留分の割合は法律で定められており、遺言書の内容によっては、この権利をめぐって相続人間でトラブルとなるケースもあります。そのため、遺言書を作成する際には、遺留分にも配慮した内容とすることが重要です。
遺言書をご自身で作成する場合、「どのように書けばよいのか分からない」「この内容で問題ないのか不安」と感じられる方も多くいらっしゃいます。
専門家にご依頼いただくことで、ご状況に応じた適切な遺言内容のご提案や、書類作成のサポートが可能となり、無用なトラブルや手間を防ぐことにつながります。
行政書士 野口広事務所では、初回無料相談サポートを提供しております。対応で気になる点などございましたら、ぜひご利用ください。